社長のビタミン・一日一語

長期休暇制度に取り組むから生産性が上がる

§ 長期休暇制度に取り組むから生産性が上がる

一年の計は元旦にあり。今日から仕事始めの会社も多いと思うが、
真っ先に、何の計画を立てるべきか?それは全従業員の長期休暇
日程を決めることを推奨したい。『世界の一流は「休日」に何を
しているのか』(越川慎司・著)を読んでも、以下のようにメリ
ットが紹介されている。

(ここから)
【1】仕事の優先順位を見極めて、重要なタスクは休暇前に確実に
完了させている

【2】チームメンバーとの情報共有を徹底して、スムーズな引き継ぎ
を可能にしている

【3】この人がいないと仕事が回らないという「個人依存」の状況を
作らないために、日頃から仕事の標準化に努めている

【4】日常の仕事の中で「協力し合う仕組み」を作り上げている

日常的にお互いが情報を共有して、チーム全体で協力し合う仕組みが
できているから、無理なく長期休暇を取ることができるのです。彼らが
長期休暇で大切にしていることは、大きく分けて二つあります。一つは
家族や親戚、親しい仲間たちとの時間を楽しむことであり、もう一つは
自己啓発や教養を深めることです。土日の休みだけではじっくりと取り
組めないことを、長期の休みを使って実践しているのです。(ここまで)

結論は、「生産性を上げるから余裕が出来て長期休暇制度が生み出せる」
のではなく、「長期休暇制度に取り組むから生産性が上がる」のだ。

物語コーポレーションには、「レインボー休暇制度」がある。文字通り、
1週間の休みを取る訳だが、ルールに休暇中の社内への連絡禁止がある。
これは、上司にとっては、自分がいなくても回るチーム創りに取り組む
仕組みとなる。貴社でも、従業員全員の「レインボー休暇」を年間カレン
ダーに入れることを検討して欲しい。そしてこの制度創りを通じて、
「休むことに罪悪感を感じる風土」を打破し、「休むことも重要な仕事」
という価値観を醸成して欲しい。

実は、「休むことに罪悪感を感じる風土」こそが、日本人の幸福度向上を
疎外している根源なのだ。ちなみに臥龍の秘書は、毎年、年末の10日間
を使ってイタリアに行く。イタリアの世界遺産を全制覇するのが目標で、
そのためにイタリア語もマスターした。きっかけは、15年ほど前に、
「社長、一か月間の休暇をください。あまりにも我がままと思われたら、
クビでも構いません」と言ってきたことだった。

「どうしたの?」

「お蔭さまで、これまで社員旅行で3回、イタリアに連れていっていただき、
イタリアが大好きになり、イタリア語を学んできましたが、仕上げのために
イタリアで長期ホームスティをしたいのです」「そのような理由なら、大歓迎。
行ってらっしゃい」なお、ボス(社長)も長期休暇を取っていないと、毎年は、
彼女も行きづらいと思う。

社長さま、率先して、長期休暇を取ってくださいね。