社長のビタミン・一日一語

聞くことは出来なくても、寄り添うことは出来る

§ 聞くことは出来なくても、寄り添うことは出来る

今年5本目の映画は「52ヘルツのクジラたち」だった。

虐待やDVやジェンダーなどの社会問題を扱っていますが、
繊細な描き方の秀作だった。タイトルの「52ヘルツ」とは、
ほかのクジラが聞き取れない高い周波数で鳴く、世界で一頭
だけのクジラのこと。どんなに鳴いても、すぐそばに仲間が
いたとしても、その存在に気がついてもらえない、世界で一番
孤独な存在。

人は皆、自分の心でだけしか呟けない言葉を持っている。それが
出来るだけ多く吐き出せる職場を「心理的安全性の高い職場」といい、
経営課題の一つになってきたことはいいことだ。

しかし、虐待やDVやジェンダーなどにおいて、自分の心でだけしか
呟けない言葉を持つ人は多い。それを聞くことは出来なくても、
寄り添う努力は出来る。映画の前半にそれを象徴するシーンが出てくる。

昨日の大ヒット舞台御礼でも、主演の杉咲花さんと志尊淳さんが、
それを一番心に残ったシーンと語っていたのが印象的だった。

優秀とは優しさに秀でること」(臥龍)

臥龍も、各人の「52ヘルツ」に寄り添える人に成りたいと思う。
例えば、性悪説の経営者がいたとしても、生まれつきではないはずだ。
何かがあったからだと思う。

それにしても、子役の桑名桃李君は10歳。オーディションのとき、
原作を意識して、男児ながら肩から下まで伸ばした長髪にしてきて、
挑んだとのこと。10歳にしてのプロ魂、凄い!