§ 企業文化の源泉は、トップの言動にある
前号で「正解・不正解を気にしないで、堂々と発言する
企業は素晴らしい!」と書いたが、臥龍が物語コーポレー
ションで驚愕した事例が二つある。一つが、キャリア採用
の方。面接場面で、生まれて初めて、家族以外に「自分は
レズビアンです」とカミングアウト。面接場面って、受か
りたいために「仮面」を被り勝ち。それなのに面接場面で、
”この会社は自分を個人として表現していいんだ”と感じさ
せた、「企業文化の濃さ」に驚く。
それを知って生まれた社内の反応が、「我が社からカミン
グアウトという言葉をなくしたい。何故なら、個人・個性
として普通のことだから」。
もう一つが、リーダー対象に、臥龍が「家訓」の大切さを
講話したとき。講話後は実務研修だったので、臥龍は、
当時社長であった小林佳雄さんと食事の予定だった。
するとある店長がやってきて、「小林さん、臥龍先生の
お話を聞いて、改めて家庭経営の大切さを痛感しました。
でも今、自分は家内とピンチなんです」と言う。
”一部上場企業の管理職が、家内とピンチってトップに
言うか!”と内心驚いたが、小林さんの反応にもっと驚いた。
「お前、後の研修に出なくていい。一緒に来い」
食事の席で、膝突き合わせて、「どういう状況なんだ?」
「こうしたらどうか?」と真剣に話す小林さんを見て、
率直に凄い、そしてかっこいいと思ったものだ。
「個」を尊重する。その企業文化の源泉は、トップの
言動にある。