社長のビタミン・一日一語

トップの現場感覚が開発の引き金になる

§ 「カップヌードルミュージアム」

「三一会」で、初めて、横浜の「カップヌードルミュージアム」に行った。
自分で「チキンラーメン」や「カップヌードル」を作る体験型が大人気。
それにしてもヒストリーコーナーで、主要な商品が、開発設備も経験も
資金も不十分な昭和33年から昭和46年の初期に全部開発されている
ことに、改めて驚いた。→インスタントラーメン・ヒストリー

§トップの現場感覚が開発の引き金になる

チキンラーメン開発のきっかけは、戦後すぐのある時、大阪駅近くの
闇市で、寒空のもと1杯のラーメンを食べるために並ぶ長い行列を目に
したことから始まった。安藤は日本人が麺類好きであることを改めて
実感したと同時に、この行列に大きな需要が隠されていることを確信
したのだ。

第二の大ヒット商品であるカップヌードルの開発着眼は、チキンラー
メンを世界に広めようと考えた安藤の欧米への視察兼プレゼン旅行か
ら生まれた。アメリカのスーパーマーケットに持ち込んだところ、
どんぶりがない彼らはチキンラーメンを小さく割って紙コップに入れ、
お湯を注ぎフォークで食べ始めた。この経験をヒントに、麺をカップに
入れてフォークで食べる新製品の開発に着手したのだ。

企業規模がまだ中小・中堅企業なのに、トップが社長室でふんぞり返り、
市場の最前線に立たなくなった企業は間違いなく衰退していく。