社長のビタミン・一日一語

「気い悪うせんといてや」と言える人になりたい

§ 「気い悪うせんといてや」と言える人になりたい

人間の人格、会社の社格、政治の政治格は、強き者ではなく、
弱き者に対した時に「本音」が出る。人間であれば、お金を
いただく立場ではなく、支払う立場のときに出る。

会社であれば、お客様にではなく、仕入先、下請け先に対した
ときに出る。パートナー扱いしているのか?搾り取る先にして
いるのか?そう見ると、企業規模は大きくても、全く尊敬でき
ない企業は、結構多い。

岡山県総社市の片岡聡一市長の政治理念
「政治は一人では生きつらい弱者を守るためにある」からは、
本当に高い政治格を感じた。
https://www.homes.co.jp/cont/press/rent/rent_01075/

個人的には、以下のマイルーティンを大事にしたいと思っている。

臥龍のマイルーティンの40.
お金を使う立場だからこそ、感謝の気配りである「気い悪うせん
といてや」、10代、20代への礼節である「高倉と申します」
のように、第三者が自然と紹介したくなるような「慈愛」のエピ
ソードが生まれる作法。

★松下幸之助翁のエピソード
当事者、のちに甲南学園理事長を務める小川守正氏によると、
自身を含む6人の(松下電器の)新任役員の昇進を祝う、フランス
料理店での内輪での会食の場だった。メインのステーキが出たあと、
和やかな場に緊張が走った。

「小川君、このステーキを焼いたコックさんを呼んで来てんか、
マネージャーと違うで、コックさんやで」と幸之助から声が
掛かったのだ。小川氏が幸之助の皿を見ると半分残っている。
(これはクレームだ、「相談役もお客になると厳しい人やな」と
思うと同時に、せっかくの楽しい雰囲気に「そこまで言わんでも」)
と小川氏は思ったという。

コックは飛んできた。「何か不都合がございましたか」と恐る恐る
言った。相手が松下幸之助なのは重々承知している。幸之助はこう
言った。「このステーキあんたがせっかく焼いてくれたけど半分残すわ。
まずいんと違うんやで、おいしいんやけど、私はもう80歳なんで、
全部よう食べんのや。気い悪うせんといてや」。ここまで★

臥龍が、同席者やコックの立場であれば泣く。現場の人の気持ちを
ここまで慮(おもんばか)る幸之助翁のために、全力を尽くそう
という思いの結集が、松下電器を発展させたと思う。

Q.社長、あなたは、現場を泣かせるような人格が、自然と湧き出て
くるマイルーティン(習慣力)をお持ちですか?