§ 船長が脳で汗をかかないと、現場が無用な汗をかく
先日、講座を受講頂いた企業様は、多角化の準備中だった。臥龍、申し訳ないが、
「事業の7割は失敗し、資金流出が続く」と申し上げた。最初、皆さま全員が怪訝
な顔をされていたが、その理由を説明すると、「愕然としましたが、目覚めました!
受講料の数十倍のメリットを今感じています!」との反応をいただいた。
「事業活動とは、顧客の創造である」とは、ドラッカー博士の言葉だが、逆に言えば、
「顧客の創造なき企業は破滅」といえる。臥龍は、「自分たちが利用したいと思う事業は
失敗する。世間様(多数の潜在顧客)が利用したいと願う事業でないと失敗する」と申し
上げた。前者はプロダクトアウト型、後者はマーケットアウト型。自分たちが利用したい
と思う事業が、世間様(多数の潜在顧客)のニーズと一致していればいいが、このグルー
プの場合、7割方がミスマッチだった。
「苦労する身は厭わねど、苦労し甲斐のあるように」(高杉晋作)
業態開発(ビジネスモデル)の仕事は、トップ業務。トップ(船長)が脳で汗をかかないと、
現場が無用な汗をかき、苦労のし甲斐がない。従業員には、お魚さんが沢山いるところに、
業態の釣り竿を垂れさせることだ。お魚さんが沢山いるところに、業態の網を投じさせる
ことだ。更に、「事業を始めてから顧客を創るのではない。顧客を創ってから事業を始める」
こともお伝えした。これも「目からウロコ」だったようだ。
物語コーポレーションは、「業態開発カンパニー」を標ぼうしている。それは、既に顧客が
いるのに、限りなく近い状態だということ。開発は、トップしかできない。何故なら、お金
の判断が瞬時に要るからだ。以前、小林佳雄さんがこう言われていた。「業態開発をあるリー
ダーにやらせたら、ノイローゼになりかけた。」それは「ここまで開発に1億掛けたのに、
止めることができるのか?」の苦悩だった。
業態開発、事業開発、海外進出などは、トップ業務だ。逆にいえば、トップが開発に時間が
取れる態勢が要る。開発に時間が取れない企業に、発展はない。