§ トップに「愛嬌」がないといけない理由
トップが部屋に入った瞬間に、部屋が明るくなる人と
暗くなる人がいる。物語コーポレーションの二代目・
小林佳雄さん、三代目・加治幸夫さん共に明るかった。
お二人が部屋に入ってくると、一段、照明が明るく
なった印象がある。それで思い出したことがある。
松下幸之助翁が、松下政経塾を開塾し、塾生の最終
面接を行った際の最後の質問を第一期塾生から聞いた。
「ところで君は、運はええんか?」と問われれば、
あなたであれば、どう答えますか?「はい。運は
いいです!」と即答しなかったら、落とされたそうだ。
これはどういうことか?実は、人生において、運が
良かったこと、悪かったことの割合に、それほど
大きな違いはない。どちらを見るかの思考回路に
違いがある。陽転思考か、暗転思考かの違いだ。
陽転思考のリーダーでないと、明るい未来には
導けない。実はもう一つ、観察していたことが
あることも分かった。
“こいつは愛嬌があるか?”
最終選考に残った者だから、優秀な若者に決ま
っている。そこで最後の決め手を、「愛嬌」と
「運」があるかどうかに置いた。
Q.あなたには「愛嬌」と「運」がありますか?
坂本龍馬には「愛嬌」と「運」があったが、龍馬を
敬愛する孫正義も、「愛嬌」と「運」ある事業家の
代表選手だ。負けないくらいの「愛嬌」が、小林佳雄
さんにはあった。だから厳しいことを言っても、社風
が暗くならなかった。暗い社風で、気持ちが盛り上が
ることはない。トップだから厳しいことは言わないと
いけない。しかし暗くならない「愛嬌」、実に重要な
トップが持つべき要件だ。