§ 「東西はいいが、南はだめ」
「多くの方が、わが社の面接に驚かれます。創業のころから、
一人の学生に対して、最低でも30時間以上かけて面接する
ことにしているのです。一回5時間程度の面談を、三か月の
間に6回くらい行います。合計すると30時間くらいになる
というわけです。30時間の中身は、ひたすら面談、面談です。
しかし、すべて同じ人が担当するわけではありません。毎回
異なる社員が面談し、その学生が一緒に働きたい人物かどう
かを、みんなで考えるようにしたのです。」
「会社の目的は利益じゃない」より
(ネッツトヨタ南国・相談役 横田英毅氏の言葉)
「最低30時間の面談」と聞いて、どう思われましたか?
A.そんなに時間を取るなんて、信じられない。
B.30時間が最低、そうあるべきで、自社も実施している。
臥龍が、ネッツトヨタ南国さんで聞いた最長面談は200時間
だった。採用で手間暇かけた方が育成と定着は楽。逆に、面談
が2~3時間以内だと、採用は楽だが育成と定着には苦労する。
何故かと言えば、お互いの価値観を土中深くから掘り出し、照
らし合わせるためには、それくらいの時間は当然掛かるからだ。
例えるならば、この人と結婚しようというのに、2~3時間の
お付き合い(デート)で決めるだろうか?我が社が求める価値観が
仮に「北極星(真北)」になったとする。トップはその価値観を
2~3時間、400度熱で語ることだ。それに心が響いた人と
最低30時間の面談が始まる。
100人が聞いて、刺さる人は10人くらいの尖がったメッセージが
いい。そこから30時間の面談を経ると、内定は1~2名だろう。
しかしその1~2名は辞めない。辞めないどころか、無茶苦茶
主体的に頑張ってくれる。そして既存社員、企業の価値観が北と
明確になって本人が東西ならまだOKだが、南の真反対の価値観
だと、一緒のチームで居ることは難しい。価値観を転換するか、
会社を転換するしかない。
「採用の誤りは教育では補い難し」
採用のためには、トップの熱い使命感講話を聞いていただき、
そこで心の底から共感した人と30時間以上の面談を行う。
これを貴社の絶対ルールにすることだ。