社長のビタミン・一日一語

「愛嬌がないと人はついてこないんや」

§ 「愛嬌がないと人はついてこないんや」

「仕事ができるとか、頭がいいとかだけやない。やっぱり、
愛嬌がないと人はついてこないんや」、これは松下幸之助氏が、
繰り返し語った言葉。何故か?

リーダーはその役柄故に、厳しいとことを言わざるを得ない。
しかし厳しいだけだと、部下は息が詰まってしまう。合間合間に
愛嬌があることで、「嫌われ役を演じても嫌われ者にならない」。

愛嬌とは、笑顔とユーモア。先日亡くなられた長嶋茂雄さんは、
日本人にそれを教えてくれた。試合中に打席へ向かった長嶋さん、
バットを持たずに立ってしまったことを審判に指摘され、
「しまった!」と慌てて取りに戻った。

アメリカに着いた長嶋さん、「アメリカの子どもは英語がうまいね!」
と言った。最近では、大谷翔平とロバーツ監督のポルシェのエピソード
で笑った。

ある日、大谷選手がポルシェで球場に現れたのを見て、ロバーツ監督は
冗談交じりにこう声をかけた。

「おい翔平、その車、いいね。ひょっとしてそれ、俺のか?
Hey Shohei, nice car. Is that mine?」
大谷選手はにっこりしながら、
「考えておきます。I’ll think about it」。

ロバーツ監督、「もしポルシェくれるんなら、黒がいいな」。

数日後、大谷選手は黒のポルシェのミニカーをロバーツ監督にプレゼント。
これには監督も大笑いし、ドジャースのクラブハウス内も非常に和やかな
雰囲気になった。

ロバーツ監督、
「あいつは、やっぱりユーモアがあるな。最高だよ」。

そして先日は、ロバーツ監督が、大谷選手の長女の誕生祝いとして贈った
のが、ピンクの子ども用のポルシェ。大谷選手の「(監督室に呼ばれたので)
自分、何か大きなミスしたかと思ったよ」に、また周りは大笑い。

日本の企業現場にまだまだ足りないのは、愛嬌=笑顔とユーモア。
社長やリーダーから率先しないと、心理的安全性は生まれない。
臥龍ファミリーで一番「愛嬌=笑顔とユーモア」があったのは、
引退されたけど、物語コーポレーションの小林佳雄さんだった。
小林さんの笑顔パワーは、長嶋さんにも負けないものだった。